スリクソンの2020年の新作アイアン、ZX5アイアンとZX7アイアンについて、詳しく解説していきます。
目次
ZシリーズからZXシリーズへ
スリクソンのゴルフクラブは、長らく「Z」シリーズが発売されてきまして、2020年からは名前が変わり、「ZX」シリーズとなりました。
新規シリーズではなく、メーカーは改称と説明していますので、これまでの「Z」シリーズが継続していく形となります。
ZXシリーズのアイアンは2種類
新たな名称となった「ZX」シリーズでは、アイアンは、ZX5アイアン、ZX7アイアンの2種類です。
Zシリーズが出始めた頃は、5・7・9の3種類のヘッドがありましたが、ここ数年は5・7の2種類に絞られていまして、前作のZ85シリーズでもZ585、Z785の2種類でした。
Z985は発売されませんでしたが、翌年の2019年にZフォージドアイアンが発売されていますので、マッスルバックアイアンは、別立てで作り続けるのだと思います。
- ZX5アイアン
大きな飛距離とソフトな打感。飛びと安定性を兼ね備えている。 - ZX7アイアン
吸い付くような打感と優れた操作性。精度の高いスピン性能でコントロールしやすい。
▼ZXアイアンの公式動画
スリクソンによるZXアイアンの公式紹介動画です。
ZX5アイアン、ZX7アイアン、そして、ZXユーティリティアイアンの3種類が紹介されています。
ZX5アイアン・ZX7アイアンの試打・評価
ZX5アイアン、ZX7アイアンの試打・評価については、別の記事にまとめました。
前作にあたるZ585アイアン・Z785アイアンとの打ち比べ比較の試打もありますので、詳しくは下記記事をご覧ください。
ZX5アイアンの特徴
ZX5アイアンは、ポケットキャビティー形状のアイアンで、トゥ側にウェイトが搭載されています。アスリート向けブランドのアイアンでありながら、飛距離性能と弾道の安定性に優れ、アベレージゴルファー、セミアスリートも扱えるアイアンです。
スピードグルーブが拡大し、フェースが大きく撓む
打点部となるフェース中央はトゥ側に行くほど薄くなっていて、その周辺はスピードグルーブが拡大して配置されています。
この構造を取ることで、インパクトの際にフェースが大きく撓んでくれますので、ボールスピードがアップし、飛距離性能が高められています。
タングステンニッケルウェイトにより、慣性モーメントがアップ
アイアンではもう一般的になりつつあるトゥ側の高比重金属ウェイトが、ZX5アイアンにも搭載されています。
慣性モーメントがアップしますので、打点のブレに強く、弾道が安定しやすくなっています。
グースネックでボールのつかまりをイメージできる
左がZX5アイアンで、右がZX7アイアンです。左のZX5アイアンの方がグースネックになっています。
FP値を比較すると、ネック形状から感じられるほどの違いはありませんが、構えた時にボールがつかまるイメージが持てますので、しっかり捉えられる安心感につながります。
ソフトな打感も備わっている
ヘッドは大きく3つのパーツで構成されていて、バックフェースの打点エリアは、別のパーツにより肉厚になっています。ボディは軟鉄鍛造のため衝撃を吸収してくれます。
ピース構造のキャビティーアイアンでありながら、ソフトな打感が実現されています。
ZX5アイアンのスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | バンス角 (フェース) |
バンス角 (バック) |
FP | 長さ |
---|---|---|---|---|---|---|
4 | 22 | 60.5 | 12 | -8 | 2.8 | 38.5 |
5 | 24 | 61 | 13 | -6 | 3 | 38 |
6 | 27 | 61.5 | 14 | -6 | 3.2 | 37.5 |
7 | 31 | 62 | 15 | -5 | 3.5 | 37 |
8 | 35 | 62.5 | 16 | -5 | 3.8 | 36.5 |
9 | 39 | 63 | 17 | -3 | 4.1 | 36 |
PW | 44 | 63.5 | 18 | -3 | 4.4 | 35.5 |
AW | 50 | 63.5 | 18 | -2 | 4.9 | 35.5 |
SW | 56 | 63.5 | 9.5 | 9.5 | 5.3 | 35.5 |
7番アイアンのロフト角は31°で、前作に当たるZ585アイアンと同じです。
モデルチェンジによりロフトを立てるメーカーが増えていますが、スリクソンでは同じスペックを保っています。
ZX7アイアンの特徴
ZX7アイアンは、軟鉄鍛造のキャビティーアイアンです。ZX5は飛距離と安定性が特徴だったのに対して、ZX7アイアンは打感と操作性に優れています。
ターゲットゴルファーとしては、セミアスリート~アスリートゴルファーが適しています。
上級者が好む、吸い付くような打感を実現
ZX7アイアンのバックフェースは、打点部のエリアを肉厚にしたツアーキャビティーデザインが採用されています。
これは前作に当たるZ785アイアンにも採用されていて、ヘッド全体が軟鉄鍛造となっていますので、吸い付くような打感が実現されています。
ZX7にもタングステンニッケルウェイトを搭載
高比重のタングステンニッケルウェイトは、操作性が特徴のZX7アイアンにも搭載されています。
慣性モーメントが大きくなりますので、打点のブレへの許容性が増しています。
最近では、上級者向けアイアンでもトゥ側にウェイトを搭載して、慣性モーメントを高めたモデルが増えています。
すっきりしたネック形状
左がZX5アイアン、右がZX7アイアンです。ZX7アイアンの方がネックの湾曲が少なく、すっきりとしています。
意図した通りの弾道を繰り出しやすいイメージが持てます。
抜けの良い新・TOUR・V.T.SOLE
スリクソンのアイアンではお馴染みの前後にバンスが設けられた独特なソール形状です。
ZX7アイアンでは、トゥ・ヒール側でV字型が落とされていて、さらに抜けが良くなっています。
ZX7アイアンのスペック
番手 | ロフト角( °) | ライ角( °) | バンス角( °) | バンス角( °) | FP(mm) | 長さ1(in) | 長さ2(in) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 20 | 60 | 19 | -4.5 | 3.1 | 38.75 | 39 |
4 | 22 | 60.5 | 19 | -4.5 | 3.3 | 38.25 | 38.5 |
5 | 25 | 61 | 19 | -4 | 3.4 | 37.75 | 38 |
6 | 28 | 61.5 | 19 | -4 | 3.6 | 37.25 | 37.5 |
7 | 32 | 62 | 19 | -3.5 | 3.9 | 36.75 | 37 |
8 | 36 | 62.5 | 19 | -3.5 | 4.4 | 36.25 | 36.5 |
9 | 41 | 63 | 20 | -3 | 4.8 | 35.75 | 36 |
PW | 46 | 63.5 | 20 | -3 | 5 | 35.25 | 35.5 |
AW | 51 | 63.5 | 20 | -2 | 5.4 | 35.25 | 35.5 |
SW | 57 | 63.5 | 26 | -1 | 6 | 35.25 | 35.5 |
7番アイアンのロフト角は32°で、前作に当たるZ785アイアンと同じです。
ZX5アイアン、ZX7アイアンの発売日・発売価格
ZX5アイアン、ZX7アイアンの発売日は、2020年10月17日です。
発売価格は、セッティングにより異なります。
<ZX5アイアン>
- Diamana ZX for IRON カーボンシャフト
6本セット(#5~9、PW):132,000円
1本(#4、AW、SW):22,000円 - N.S.PRO 950GH DST スチールシャフト
6本セット(#5~9、PW):118,800円
1本(#4、AW、SW):19,800円 - N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 DST スチールシャフト
6本セット(#5~9、PW):125,400円
1本(#4、AW、SW):20,900円
<ZX7アイアン>
- ダイナミックゴールド DSTスチールシャフト
6本セット(#5~9、PW):118,800円
1本(#3、4、AW、SW):19,800円 - N.S.PRO 950GH DST スチールシャフト
6本セット(#5~9、PW):118,800円
1本(#3、4、AW、SW):19,800円 - N.S.PRO MODUS3 TOUR 120スチールシャフト
6本セット(#5~9、PW):125,400円
1本(#3、4、AW、SW):20,900円